僕は人間だ:優越感と孤独感
僕は一人っ子であり、妄想家である。
頭の中で想像力を働かせ、アイディアを走らせる。
子供のときから一番多かった遊びだ。
そんな妄想と想像の世界から今年の夏生まれたアイディアを、
今具体化しようとしている。
もうかれこれ7週間行っているこの作業だが、
今一度頭の中を整理するために僕は場所を移すことにした。
都内の職場を離れ、
現在は目の前にレインボーブリッジが一望できるお台場にあるホテルへと越してきた。
二泊の滞在で「越してきた」と言うかどうかはさておき、
ネットや音楽などの誘惑が無いこの環境に缶詰ている。
僕はお台場が好きなようだ。
夜景は絶品である。
少し香港に似ているところもさることながら、
終電とともに人気がなくなるところが特に好きだ。
逆に昼間は非常に都会的な場所で、
人も多い。
そんな中、
頭を整理するため近くを散歩すると数多くの若者に出会う。
久保田修の言葉「寝よう寝ようと思って過ぎ去る二十代」を
絵に描いたような生き方をした僕とは対照的に、
彼らは浮かれた高周波を放ち、
彼らなりに時間を有意義に使っているようだ。
僕は人間だ、
仙人では無い。
優越感が湧いた。
しかし面白いことに、
優越感は孤独感と同じが味がした。
彼らに交じり騒ぎたい、
願わくば鼻の下をのばしカメラを構えたい。
隠せない想いが同時によぎる。
帰り際、
彼らのように生きる選択をしなかった自分を、
そして彼らのような生い立ちを今世では味わえない運命を惜しみ、
今の自分の生き方が性に合っていることも知っている自分に、
そしてこの先自分を待ち受けている世界を想い微笑んだ。
作業場に戻った僕は実感している。
二十代の時は決して想いもよらなかったことだが、
この裏腹矛盾した感情こそが充実感ではないかと。
お台場へ来て一つだけ確実にわかったことがある。
僕は今、人生を楽しんでいる。
